人間関係には常に力学が働いていて、それによってアトピーの人とその周囲の人の間に溝が生じることが多いと述べてきました。
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アトピーから考える人間関係論 【1】 -感情には力学がある-
じゃあどうしたらいいのか?ということですよね。ちょっと冷たい言い方かもしれませんが、ほっときゃいいと思います(笑)まぁ、ほっとくというより、「寄り添うだけでいい」と言ったほうが正確で温かみもあるかな?
なぜ寄り添うだけで、アドバイスなんか必要ないのかというと、アトピー状態から抜け出すも抜け出さないも、本人がどうしたいか次第だと思うからです。抜け出すためにやるべきことは僕もセミナーでお話していますが、それを実際に行動に移すには相当なエネルギーが必要です。ダイエットを決意するのと同じ、あるいはそれ以上の決意が必要だったりするんです。そういう意味で、今まだ抜け出せるだけのエネルギーがたまっていないということかもしれません。
だから周囲の人には、その充電期間を見守る度量が必要なんだと思います。それってお互いにつらい時期かもしれませんが、見方を変えると、それは下向きに成長している時期だとも言えるんです。地面に根を張っている時期ですね。
そのつらい時間の中で気付くことには本当に素晴らしいものがあります。周囲の人はこんなことに気付くかもしれません。
「アトピーであることはその人の価値をなんら下げていない。
アトピーであることもすっかり含めてその人なんだ」と。
それまでは「アトピーをマイナス要素と捉えて、そのマイナスをなくせばその人がもっと素晴らしい存在になる」という思いからアドバイスをしたり励ましたりしていたわけです。
そこには「アトピー」VS「アトピーじゃない人」という比較があり、「アトピーじゃない人」の方が良いという観念が見え隠れします。その観念がアトピーの本人に伝わり、なんか上から目線のアドバイスをされているような気分になって、拒否が入るわけです。
でも、実はアトピーであってもアトピーでなくても、その人は素晴らしい存在だと思いませんか?愛すべき存在ですよ。
そうすると、「アトピーじゃない人」と「アトピーの人」という比較は無意味になり、上から目線の感情はなくなるんですね。
そしてぜひ、アトピーの本人がどんなことを普段考えているのか、どんなふうにつらいのか、周囲からの視線に何を感じているのか、そういう感情的な言葉に耳を傾けてみてください。周囲の人はついつい「改善のための行動」が大事だと思ってしまいがちですが、今の本人にとっては感情のほうが大事だったりするものです。それを聴いてくれる人の存在がどれほど貴重なことか。。。
そうするうちに、アトピーの本人はこんなことに気付くかもしれません。
「これまでこのつらい状態の中でも何とかやってこれたのは、こういう周りの人の支えのおかげかも。いっちょアトピーをすっかり良くして、善意に応えようか。」
こんなにうまくはいかないかもしれませんが、反発しあっていた感情は、どちらかが「自分の思いだけが正しいわけではない」と気付けば、その反発力を緩めます。その時初めて周囲の言葉が耳に入るようになり、それを行動に移せるようになるんです。
そしてその時の気付きは後々、本人にとっても周囲の人にとっても、人生の重要なターニングポイントになっていたりするものです。
そんな「感情の力学」について僕が学ぶきっかけになった本があります。興味のある方は読んでみてください。「人間関係のマトリックス」という概念で感情の動きをとてもわかりやすく表現してくれています。お勧めです。
アトピー改善アドバイザー
桒野靖士(くわのやすし)
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