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2018年11月に初の書籍が出版されました!

色素沈着の真実

肌の色は、昔から人々を悩ませてきました。

肌の色の違いで人種差別が起こり、シミは老化の証拠だと忌み嫌い、日焼けサロンに通っていた人が今は美白化粧水を使っていたりする。アトピーの人も同じく肌の色が気になるものです。

こんにちは、アトピー改善アドバイザーの桒野靖士(くわのやすし)です。

セミナーなどでよく質問されるのが「ステロイドを使うと色素沈着が起こって、肌が黒くなってしまうので、何か対策はないですか?」というもの。

「ステロイド使ってたせいで色素沈着で肌が黒くなったんですが、これってアトピーが改善したら元の白い肌に戻りますか?」というのもよく聞かれます。

今日は、わりと悩んでる人が多い色素沈着について書いてみます。

 

肌はどんなときに黒くなる?

この写真を見てください。

 

少しわかりにくいですが、右の写真の印を付けた部分を見ていただくと、周囲と比べてうっすら黒いのが見えると思います。これは先日転んで怪我をした箇所です。両腕の結構な広範囲を擦りむきまして、

このブログでも紹介したとおり、その傷跡の一部にはアトピーの症状が出てました。

久々に自分のアトピーと再会!

2013年8月24日

でも、上の写真の部分はアトピーの症状は出ていなかった箇所です。薬も塗っていません。

 

なぜ黒いかわかりますか?

それは「炎症が起こっていたから」です。

擦りむいた箇所は、かさぶたができた後もしばらくは赤く腫れた感じになっていて、触れるとズキズキとした痛みが走りました。

 

少し話がそれますが、「炎症」が起こると、

  1. 痛み
  2. 発赤
  3. 腫れ
  4. 発熱

の4つの徴候が現れます。

傷を修復し、菌の感染などを防ぐために、傷口周辺は血流が増えるので、赤くなり、熱を持ちます。白血球をたくさん含んだリンパ液が血管から染み出てくるので、その箇所が少し膨張して腫れます。

なぜ痛みを感じなければいけないのかは、研究者の間でもよくわかっていません。

とにかく、傷ついた箇所を修復するための仕組みが「炎症」です。

 

で、ですね。実は、炎症が治まったあと、その場所は黒くなってしまうんです。

つまり、先ほどの写真で黒くなっていた部分は、怪我を修復するための炎症が引き起こした、「色素沈着」なんです。

火傷の跡が黒く残ったりするのも、同じく炎症が原因。

肌は意外と簡単に黒くなってしまいます。

 

日焼けはどうなのか

肌が黒くなると言えば真っ先に思い浮かぶのは「日焼け」でしょう。

紫外線を浴びると、肌は黒くなる。これ、常識ですね。

でも、もう少し詳しく見ると、こうなっています。

「紫外線浴びる」

「炎症性サイトカインが出る」

「メラニン色素が作られる」

「黒くなる」

 

気付きました?炎症性サイトカイン。

これは怪我したときなんかに、傷ついた細胞が「SOS」のメッセージを伝えるための物質です。この物質は白血球やらなんやらに助けを求めると同時に、「メラノサイト」というメラニン色素製造機のスイッチを入れます。そうするとメラニン色素の製造が始まります。

つまり、

「炎症が起こる⇒サイトカイン出る⇒メラニン色素」

「紫外線浴びる⇒サイトカイン出る⇒メラニン色素」

ということなんですね。

 

紫外線がメラニン色素を作り出しているようなイメージがありますが、実際には、「サイトカイン」っていうやつが出たときに「メラノサイト」のスイッチが入って黒くなるんです。

 

アトピーは炎症ですよね

アトピー性皮膚「炎」ですから。アトピーとは皮膚で炎症が起こっている状態を言います。慢性的に長期間、炎症が続きます。

てことは、「炎症性サイトカイン」が出っ放しです。だから「メラノサイト」のスイッチがOFFになることはありません。紫外線を浴びてなくてもメラニン色素が作り続けられます。

もうお分かりでしょうか?

アトピーの人の肌が黒くなるのは、アトピーそのものが原因なんです。炎症が起こってるんだから、黒くなって当たり前。

冒頭の怪我による色素沈着も、日焼けによる色素沈着も、アトピーの色素沈着も、全て同じメカニズムです。

そこにステロイドは全く関係ありません。

驚いた方もいらっしゃるかもしれません。そう、「ステロイド」と「色素沈着」って全く関係ないんです。

アトピーで強めの炎症が長続きした人は、ステロイドを使おうが使うまいが、黒くなります。それはカラダの仕組みとして当然のことなんです。

 

信じるな、疑うな、確かめろ

「ステロイド=色素沈着」という図式を信じている方はとても多いですね。アトピーではない方でも、なぜかそのことだけは知っていて、「だからステロイドは使うべきじゃない」って、もっともらしく(失礼しました)主張している方が結構おられますね。

間違った知識を広めるのはこの辺でやめにしましょう。

僕はステロイド推進派でもステロイド否定派でもありません。ただ、ステロイドに何ができて、何ができないのか。その「役割」と「限界」を分かっておくことが大切だと思っています。

 

「ステロイド使うと色素沈着するよ!」

「ステロイドは毒素としてカラダに溜まるよ!」

ほんとに?

 

というか「毒素としてカラダに溜まる」ってどういう意味ですか?僕には理解できない言葉です。

物事の正解・不正解は僕にもわかりませんし、見えないところに真実があることもあるでしょう。でも、わかっていないことをあたかもわかっているように言うってのは、混乱を招くだけです。

僕は理解していることを理解できる言葉で伝えたいと思っています。

情報を受け取る側の方も「ほんとに?」の姿勢を忘れないでください。今は情報が氾濫して、何が正解かわからない状態ですから。

合言葉は「信じるな、疑うな、確かめろ」です。

 

次回は、「色素沈着は消えるのか?」をお伝えします。

ただし、僕の次回予告はあまり当たりません(笑)

 

 

 

 

アトピー改善アドバイザー

桒野靖士(くわのやすし)

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

1980年生まれ、大分県出身。 大阪大学卒業後、大手メーカーに経営企画スタッフとして勤務。 入社の数ヶ月後からアトピー性皮膚炎を発症。 2年間ステロイドを使うが改善が見られなかったため、25歳のとき脱ステを決意。 激しいリバウンドの最中に出会った分子栄養学に可能性を感じ、ほぼ独学で学ぶ。 3年間の試行錯誤の末、アトピーの症状はすべて消えた。 しかしその後、ココロの不安定さから人間関係やお金の問題に悩むこと更に3年。 仕事を転々とし、最後は1年間の無職無収入を経験。 自分を変えたいと心理学や感情について独学で学ぶ中で、1冊の本をきっかけに社会復帰。 自分にできることは何かを考えた末、アトピーの体験・知識を伝えることを決意。 アトピー改善アドバイザーとして全国で講演やカウンセリングを行い、「アトピーを味わい尽くすと、人生が変わる」というメッセージを伝えている。