免疫寛容 – 敵と味方を見分ける能力

 

 

アトピーはアレルギーの一種です。アレルギーは免疫の暴走です。 暴走のきっかけを作っているのは「IgE」と呼ばれる抗体です。

でも不思議ですね。 同じような乾燥肌の人が同じようにホコリを浴びても 、 アトピーを発症する人としない人がいるのはなぜなのでしょうか? ホコリでアトピーが出る人もいれば、出ない人もいる。猫の毛でアトピーが出る人もいれば、出ない人もいる。

この個人差はいったいどうして生まれるのでしょうか?今回はそのあたりに切り込んでみます。

 

免疫の2つの学習科目

 

免疫というと、 「一度かかった病気にはかかりにくくなる」 という働きが有名ですよね。おたふく風邪やはしかなど、 一度かかると二度目はめったなことではかからないと 言われている病気は結構あります。これは「抗体」という免疫細胞が 一度体内に侵入してきた異物(ウイルスや細菌など)を覚えていて、 次に侵入してきたときは、 その異物が増殖する前に破壊するからです。

インフルエンザのワクチンを打つと、 インフルにかかりにくくなったり、 かかっても重症になりにくいのも、 同じくワクチンによって体内にインフルエンザウイルスに対抗できる 「抗体」が作られるからです(この時に作られる抗体は「IgG」と呼ばれるもので、 上の「IgE」とはまた別モノです)。つまり免疫は 「攻撃するべき“敵”を覚えておく」機能を持っているのです。これは一般知識としてご存知の方も多いと思います。

しかし、もう一つ免疫が学習していく科目があります。それは「攻撃しなくてもいい“味方”を覚えておく」ということです。例えば腸から吸収した 食物も、 体にとっては異物です。こういうものにいちいち攻撃を仕掛けていたのでは、 とてもじゃないですが体力がもちません。なので、いつもいつも体内に入ってくる異物に対しては、 攻撃せずにスルーするようになっていくのです。 常連さんの顔パス状態ですね。ホコリや花粉やペットの毛なども、 空気中をたくさん舞っていたりしていつも触れるものなので、 顔パス状態になっている人が多いわけです。

このような「味方」をスルーする働きのことを専門用語で 「免疫寛容」と言います。「免疫寛容」はアレルギー状態を脱出するキーワードの一つなので、 ぜひ覚えておいてください。

とにかく、このように免疫は「敵」と「味方」という 2つの学習科目を幼いころから学んで育っているのです。

 

免疫寛容の年齢制限

 

人は5歳くらいまでに「味方」の学習を終えて、 それ以降は「敵」の学習に専念すると言われています。なので、幼い時期にいろんなものたくさん触れておくことが、 「免疫寛容」を学ぶために必要だということです。

日本の都会は清潔すぎて、 免疫の学習環境としては劣悪と言わざるを得ません。 子供を清潔な環境に置きたいという親心もわかりますが、 それでは免疫が学習する機会を奪っていることなってしまうのです。

小さなお子様がおられる方は、 ぜひ牧場や田舎にたくさん連れ出してあげてください。そういう場所には家畜がいて、たくさん糞をします。 家畜の糞が乾燥すると、 そこに含まれるエンドトキシンという成分が空気中に舞いますが、 実はエンドトキシンに触れると、 僕らのカラダの中で免疫寛容の学習のスイッチが 入るということがここ数年でわかってきました(まだ、賛否両論あるようですが、比較的有力な説です)  。

では、もしこの「免疫寛容」が充分に学習されていないままに 大人になったらどうなるか。そういう人の免疫は体内に入ってきた異物を「敵」とみなし、 一斉に攻撃を仕掛けます。そのとき攻撃の指示を出している司令塔が、 冒頭で紹介した「IgE抗体」なのです。 IgE抗体が「侵入者あり!」のサインを出すと、 その付近ではかゆみを起こす成分や 炎症を起こす成分が 分泌されて大騒ぎになります。

でもよく見ると攻撃を受けているのは、 体にとって全く無害なホコリだったりするのです。これがアレルギー反応です。つまり、アレルギーの症状が出る人と出ない人の差は、 「免疫寛容」の学習が十分できているか否かで 決まっているということなのです。

逆に言うと、「免疫寛容」が十分に機能していれば、 アレルギー反応は起こらなくなるということです。

 

大人の免疫寛容

 

「免疫寛容」の学習は幼いころに行われると言いました。では大人になってからは一切起こらないのでしょうか?

実は、子供の頃よりは時間がかかるものの、 大人でも「免疫寛容」は新たに学習できることがわかっています。ということは、今アレルギーに苦しんでいる大人でも、 新たに「免疫寛容」が機能し始めれば、 症状はなくなる可能性があるということです。

※近年は医療にも応用されてきており、  免疫寛容の仕組みを活用した「減感作療法」という  治療法なども出てきています。 まだ実施できる病院は少なそうですが。

とはいえ、学習能力は相当落ちているので、 できるだけ学習しやすい状態を作る必要があります。そのためにはとにかく栄養状態を良好にすることが大前提。特にビタミン・ミネラル・タンパク質は 十分すぎるほど摂っておくべきです。体の働きはすべて栄養によって支えられているのですから。

不足しがちな栄養素はサプリメントなども活用しながらしっかり補って、 いつでも「免疫寛容」を始められるような体制づくりをしておきましょう。

 

 

 

 

アトピー改善アドバイザー

桒野靖士(くわのやすし)

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

1980年生まれ、大分県出身。 大阪大学卒業後、大手メーカーに経営企画スタッフとして勤務。 入社の数ヶ月後からアトピー性皮膚炎を発症。 2年間ステロイドを使うが改善が見られなかったため、25歳のとき脱ステを決意。 激しいリバウンドの最中に出会った分子栄養学に可能性を感じ、ほぼ独学で学ぶ。 3年間の試行錯誤の末、アトピーの症状はすべて消えた。 しかしその後、ココロの不安定さから人間関係やお金の問題に悩むこと更に3年。 仕事を転々とし、最後は1年間の無職無収入を経験。 自分を変えたいと心理学や感情について独学で学ぶ中で、1冊の本をきっかけに社会復帰。 自分にできることは何かを考えた末、アトピーの体験・知識を伝えることを決意。 アトピー改善アドバイザーとして全国で講演やカウンセリングを行い、「アトピーを味わい尽くすと、人生が変わる」というメッセージを伝えている。