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2018年11月に初の書籍が出版されました!

生命の万能素材 タンパク質

「人間のカラダは70%が水である。」なんていう話、よく聴きますね。

じゃあ、残り30%は何かというと、

タンパク質15%

脂肪10%

ミネラル5%

と言われています。

イメージとしては、「タンパク質と脂肪でできたスポンジの中に、たっぷりの水がしみ込んている状態」という感じでしょうか。

今日はカラダの材料、タンパク質について書いてみたいと思います。

 

タンパク質で何ができる?

僕はいつもセミナーなどで、「タンパク質摂れ~」って、口を酸っぱくして言っています。僕たちのカラダにとって一番大切な栄養素はなんですか?と聞かれたら、僕は「タンパク質」と答えます。だって、僕らのカラダのあらゆるものはタンパク質でできてるんですよ。

少し例を挙げてみましょう。

皮膚の角質層は「ケラチン」というタンパク質でできています。

少し奥に入っていくと、真皮は「コラーゲン」や「エラスチン」というタンパク質が、皮膚のハリを保っています。

骨がタンパク質でできていると言ったら意外に思う方もおられるかもしれないですね。骨は「コラーゲン」の周りにカルシウムがまとわりついて作られます。カルシウムだけではあんなに硬い棒にはならないし、あの独特な骨っぽい形を作ることができないんです。

筋肉は「アクチン」と「ミオシン」という糸状のタンパク質が束になってできています。「アクチン」はレールの役割をします。「ミオシン」にはムカデみたいに足が生えていて、レールの上をとことこ歩くんです。そうやって筋肉は伸びたり縮んだりできるんですよ。

目の水晶体っていう透明な部分、これは「クリスタリン」という透明なタンパク質でできています。光を感知する網膜の細胞には、光を感じる色素「ロドプシン」というものがあるんですが、これは「オプシン」というタンパク質とビタミンAがくっついてできています。

貧血の人は酸素を運ぶ「ヘモグロビン」が少ないことが多いですね。ヘモグロビンは「ヘム鉄」と「グロビン」というタンパク質がくっついているから、「ヘム+グロビン=ヘモグロビン」なんです。貧血の人は鉄分だけとってもだめで、「グロビン」も一緒に補給しないといけないんですよ。

免疫系の主役である「抗体」も、免疫グロブリンというタンパク質です。人体の敵であるウイルスや細菌もタンパク質でできています。タンパク質でタンパク質をやっつけているんですね。

体内でいろんな働きをしている酵素たちも、タンパク質でできています。消化酵素、アルコール分解酵素、活性酸素除去酵素、タンパク質分解酵素、タンパク質合成酵素などなど、実に数千種類の酵素が僕たちの体内で働いています。そのすべてが異なるタンパク質でできています。

訳がわからなくなってきたかも知れませんが、とにかく僕らのカラダの部品はすべてタンパク質でできているといっても過言ではありません。

 

タンパク質の材料

僕らのカラダで使われているタンパク質は、なんと10万種類。これがたった20個の原料でできていると言ったら驚くでしょうか?

タンパク質の原料は「アミノ酸」というものです。20個のアミノ酸をいろんな順序で数珠つなぎしたものがタンパク質なんです。

これが20種類のアミノ酸です。

たったこれだけの材料で10万種類の多種多様なタンパク質を僕らのカラダの中で作っています。ですから、この20種類のアミノ酸をしっかり食事から摂れば、僕らのカラダの部品はほとんどすべて作れます。ただ、食事でアミノ酸を補給する際には、ちょっとしたコツがあるんです。

「必須アミノ酸」というものがあります。

実はアミノ酸には、カラダの中で合成できるものとできないものがあります。合成できないアミノ酸は食事で摂るしかありません。この合成できないアミノ酸が「必須アミノ酸」と呼ばれる8つのアミノ酸です。「必須アミノ酸」さえちゃんと摂っていれば、それを材料にほかのアミノ酸を作り出すことができるんです。

※色付けしてあるのが必須アミノ酸

ですから、食事でアミノ酸を摂る際には、この8種類を徹底して摂ればいいわけです。つまり、「タンパク質を摂れ~」と僕が言う時、それは「必須アミノ酸を摂れ~」と言っているのと同じです。

どんな食品にどの必須アミノ酸が含まれているかは、書き始めるときりがないので、ご自身で調べてみてくださいね。

 

食事はタンパク質の両替

食べたタンパク質がそのまま僕らのカラダに使われるわけではありません。例えばタンパク質豊富なお肉を食べたとしましょう。このタンパク質はアミノ酸が数珠つなぎになったものです。口から入ってきて胃腸で消化しますよね。胃腸にはタンパク質分解酵素という消化酵素がたくさんいます。こいつらが数珠のひもを切っていくんです。ひもを切られた数珠はバラバラになります。つまり、タンパク質を消化するというのは、繋がっているアミノ酸をいったん個々のアミノ酸にばらすということなんです。

腸から吸収されたアミノ酸は、血液に乗って体中に運ばれ、全身の細胞の中に送り込まれます。細胞の中にはアミノ酸を数珠つなぎにする工場があって、そこで再度タンパク質に組みなおすんです。こうして作られたタンパク質は自分専用のタンパク質です。僕らは自分で作ったタンパク質しか活用できないようにできています。

例えば「モー太郎」と名付けられかわいがられていた牛が食肉となって売られ、それを僕たちが食べたとしましょう。そうすると、僕たちが食べたその肉は、「モー太郎専用のタンパク質」なわけです。モー太郎専用のタンパク質は僕らのカラダでは使えないので、いったんアミノ酸に分解します。アミノ酸は誰々専用というのはなくて、全生物共有の財産です。そうやって吸収したアミノ酸を、僕らは自分専用のタンパク質に作り直すんです。

まるでほかの生物との通貨の両替みたいなことを、行っているんですね。

それで、この自分専用のタンパク質の作り方が、僕らのカラダの中にはしっかりと刻み込まれています。これが「遺伝子」というものです。よく「遺伝子はカラダの設計図」なんて言われますが、実は「自分専用のタンパク質の設計図」なんです。

あ~、タンパク質について話し始めると、終わりが見えないですね。次回は遺伝子のこととかもっと深く書いてみようかな。

 

 

 

 

アトピー改善アドバイザー

桒野靖士(くわのやすし)

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

1980年生まれ、大分県出身。 大阪大学卒業後、大手メーカーに経営企画スタッフとして勤務。 入社の数ヶ月後からアトピー性皮膚炎を発症。 2年間ステロイドを使うが改善が見られなかったため、25歳のとき脱ステを決意。 激しいリバウンドの最中に出会った分子栄養学に可能性を感じ、ほぼ独学で学ぶ。 3年間の試行錯誤の末、アトピーの症状はすべて消えた。 しかしその後、ココロの不安定さから人間関係やお金の問題に悩むこと更に3年。 仕事を転々とし、最後は1年間の無職無収入を経験。 自分を変えたいと心理学や感情について独学で学ぶ中で、1冊の本をきっかけに社会復帰。 自分にできることは何かを考えた末、アトピーの体験・知識を伝えることを決意。 アトピー改善アドバイザーとして全国で講演やカウンセリングを行い、「アトピーを味わい尽くすと、人生が変わる」というメッセージを伝えている。