【Q&A】浸出液の正体とは?

こんにちは。

アトピー改善アドバイザーの桒野靖士(くわのやすし)です。

 

春ですね〜。

みなさんのところでは桜、咲いてますか?

京都は今が満開です。

自宅のすぐそばを鴨川が流れていて、その川沿いの道に美しい桜並木。

背の低い枝をたぐり寄せて腕に抱いた息子に見せてあげると、10秒くらいじ〜っと見つめてました。

8ヶ月になったばかりの息子には、まだ「美しい」という感覚はなさそうです。

美しさを感じるには人間としての経験が必要なのかもしれませんね。

 

さて、今日は少し前に頂いていた質問を取り上げてみます。

 

 

浸出液、あいつは何者なんだ?

 

頂いたのはこんな質問です。

 

いつも納得しながら興味深く読ませていただいています。

自分の体験と照らし合わせながらだんだんと理解が深まっていくなかで、アトピーという症状についての疑問が浮かび上がってきたので、桑野さんのご意見を質問させてください。

すでにどこかの記事に書かれている内容かもしれませんが。

それは、炎症から染み出してくる浸出液についてです。

これって、私は今まで「排毒」なのだと思っていました。

アトピーの人は代謝が苦手で、普通の人がおしっこ、汗、うんちで出す不要なもの(毒)をそれらで出しきれないから、皮膚から出す必要があるのだと。

この液を出すのが目的で皮膚が痒くなっている、と考えるのが自然だと思えるほど、痒いときにはこの液がぶわーっと患部に押し寄せてきてパンパンにむくんだりもするわけですから。

でも考えてみたら、これは私のリンパ液、なわけですよね?

だから別に毒でもなんでもないのかなぁ、と。

ただ、炎症で、皮膚が壊れているがゆえに、染み出てしまっているだけなのでしょうか。

それとも、普通のリンパ液とは違って、「体の外へ出したい何か」が混ざった、不純な、リンパ液なのでしょうか。

この液の実態について、どのようにお考えか、お聞かせいただけると助かります!

どうぞよろしくお願いいたします。

 

うんうん、浸出液の正体、気になりますよね。

  • 浸出液(しんしゅつえき)
  • 滲出液(しんしゅつえき)
  • リンパ液
  • 黄汁(きじる)

など、呼び方もいろいろですが、今日は僕が一番言い慣れている「リンパ液」で通しますね。

質問者さんがおっしゃる通り、リンパ液は「排毒」のために出ているという考えを力説する方は多いです。

確かにそういう側面もあると思いますが、リンパ液の「意味」を考える前に、成分や作られ方、滲み出てくる仕組みなど、あの液体の「成り立ち」を知ることが先決だと思います。

でも、成り立ちをきちんと説明してくれる人は少ないですね。

それはね、意外と難しいから笑

 

リンパ液は免疫の働きによって皮膚表面に集められ、掻き壊された皮膚の隙間から滲み出ています。

言ってしまえばこれだけなんですが、免疫の仕組みが複雑なんで、分りやすく説明するのが難しいんですよね。

なので、僕もざっと行きますね。

でも全体像は掴んでいただける感じにしましょう。

 

まず、あの液体の主成分は、血漿(けっしょう)です。

血漿っていうのは血液から赤血球や白血球を除いたものね。

つぶつぶオレンジジュースの「つぶつぶ抜き」だと思ってください。

血液から赤血球を取り除くと赤色は消えて、薄い黄色になります。

リンパ液も黄色いでしょ?

 

※画像はWikipediaから

左から赤血球、血小板、白血球(リンパ球)

色は実物とは異なります。

 

皮膚で異物を検知すると、そこにマクロファージとか樹状細胞という免疫の最前線部隊が集まります。

彼らは普段血管の中にいて、体中を巡っていますが、異物があると、血管から出てきて現場へ急行するんです。

その時、液体があったほうが移動しやすいので、血管から血漿も一緒に染み出させます。

なので、異物を発見した場所には、血漿がたくさん染み出してくるんです。

 

さらに、樹状細胞は異物を捕まえると、「とったどー!」って言って(いや、言わないけどw)、リンパ管に入ってリンパ節へ移動します。

リンパ節は高速道路のインターチェンジみたいな場所で、ここを通るときは必ず一時停止するんですよ。

で、捕まえた異物を料金所のおっさんに見せます。

おっさんはナイーブT細胞っていう草食系男子なんだけど、異物を見た瞬間にキャラが豹変するのね。

キラーT細胞っていう異物をぶっ殺しに行くマッチョなおっさんになったり、ヘルパーT細胞っていう他の細胞に指示・命令のできる頭脳派のおっさんになったりする。

そうやって豹変したおっさんは、料金所を飛び出して血管に入り、全身を巡って最初に異物が入ってきた場所を見つけて駆けつけます。

ただ、全身ってめっちゃ広くて、血管の総距離は10万km、実に地球2周半もあるんで、現場にたどり着くまでにはだいぶ時間かかるんですけどね。

 

ま、なんとか現場付近にたどり着いたら、やはり血管から血漿とともに出てきて、現場まで染み出していきます。

そしたら、その付近ではまた血漿が増えるよね。

この一連の流れが炎症です。

患部には血管から大量の血漿が滲み出るんで腫れます。

温度が高いほうがおっさん(T細胞)が元気になるんで熱出ます。

異物を皮膚から削ぎ落としたいんで、

ヒスタミンやロイコトリエンなどを発生させて痒みを起こします。

後は手でボリボリ掻いて落とせばいい。

 

で、アトピーの症状が酷いと、皮膚はボロボロで隙間だらけになってしまうんで、大量の血漿が自然とそこから出ていきます。

たぶん、おっさんをはじめとした白血球も混じってるでしょう。

おっさん、がんばったね。ありがとう。

 

これがリンパ液が滲み出る仕組みです。

こうやって見てみると、あんまり「排毒」って感じしないですよね。

ただただ、侵入者を追い出したい。

そんな免疫たちの意志だけは強く感じます。

 

アトピーが酷いと、どばどばリンパ液出るから、何か深い意味があると思いたくもなりますが、カラダからすれば、当たり前のことを当たり前のようにやっているだけ。

おっさんもこう言ってます。

「いやー、当たり前のことをしただけですよ。ハハハ。」

 

当然血管の中には、消化系で十分処理できなかった老廃物や毒性のある成分も流れているので、それらが一緒に滲み出ている可能性はあります。

アトピーの人は腸の弱い人が多いですし、特にその傾向は強いかもしれません。

むしろそう考えることで、アトピーの人のカラダとココロの特徴や特殊な才能に目を向けるきっかけになったりするんで、僕も嫌いじゃないですけどね。

ですが、「排毒のためにリンパ液が滲み出ている」というのはちょっと言いすぎじゃないかと思います。

 

 

出し切ればアトピーは治るのか?

 

よく「毒素を出し切ればアトピーは治る」という話を聞きます。

僕はあれ、全く信じていません。

 

そもそも「毒素」というのが何を差しているのか不明です。

ステロイドが変性した過酸化脂質を毒素だと言っている人もいますが、過酸化脂質はステロイド以外でも体内でたくさん発生します。

それだけを指して「毒素」と呼び、「出し切れば治る」というのはやはり乱暴でしょう。

 

重金属や環境ホルモンや放射性物質を差していることもあるんでしょうね。

これは影響あるかもしれません。

重金属や環境ホルモンは、体内の正常な代謝を妨げるし、放射性物質は周囲の細胞を異常な速度で酸化させます。

でも、これを浸出液とともに排出するのを待つっていうのも変な話で、別のアプローチでさっさと出したほうが良いです。

 

このように、「毒素を出し切ればアトピーは治る」説は論理的に無理があるし、実際脱ステ後何年にも渡ってリンパ液出まくり状態にもかかわらず、一向に改善しない人もたくさんいますよね。。。

てことで僕は「出し切れば…」的なことは言わないようにしています。

アトピーの人にとって、リンパ液は非常に厄介な存在で、これのせいで著しく生活の質が下がってしまっている方も多いですよね。

そうなると、「出し切れば…」説は一つの救いのように思えるかもしれません。

だって、今出てるこのリンパ液が改善へ向かっている証拠だと思えるから。

 

でも、僕がとても大事だと思うのは、「改善へ向かっている証拠がなくても歩き続ける勇気」 です。

多くの人が、「今歩いてるこの道は、アトピーからの出口へつながっているんだろうか?」って不安になってると思います。

みなさんはどうでしょうか?

 

人は、不安になるとその不安を消そうとする生き物です。

不安があるのは良くない状態で、不安がないのが正しい状態だと思ってしまうのね。

でもこれって、錯覚だと思うんです。

不安だけど実は正しい道ってのもあるし、安心だけど目的地につながっていない道もある。

 

「不安を消したい」が強くなると、アトピーの改善につながっているかどうかよりも、不安を和らげてくれるかどうかを重視して情報を選んでしまうんです。

「毒素を出し切れば」の話も同じで、「あぁ、このリンパ液は出てくれて感謝なんだ」みたいな安心感を得られることを理由に「正しそう」だと思うわけ。

「現実的な解決策」よりも「安心感」を求めている人が意外なほど多いんです。

 

不安があっても間違っているとは限りません。

むしろ、不安があるのが普通なの。

僕なんか、何か新しいことをやろうとするとき、ちゃんとそこに不安要素があるかどうか確かめてから前に進むようにしているくらいです。

不安要素が見当たらないとしたら、それは僕が不安を消すための行動をしているに過ぎないからです。

目的は不安を消すことではなく、行きたいところへ行くことです。

「不安を抱えたまま前に進んでいく。」

これは怖いことだけど、人生を自由に生きるためにとてもとても大切なことだと思うんです。

 

だから、もし「毒素を出し切るまで続ける」っていうことがみなさんの目的地につながっている道だと思うなら、不安だとしても続けてくださいね。

それを僕は否定できないし、むしろ応援する。

でも、リンパ液が出続けるのが不安だから、「出し切ったら治る」という言葉に救いを求めているのなら、そのやり方は止めた方がいい。

 

ぜひ不安と友だちになってみてください。

意外と良いやつですよ、不安って。

 

 

 

 

アトピー改善アドバイザー

桒野靖士(くわのやすし)

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

1980年生まれ、大分県出身。 大阪大学卒業後、大手メーカーに経営企画スタッフとして勤務。 入社の数ヶ月後からアトピー性皮膚炎を発症。 2年間ステロイドを使うが改善が見られなかったため、25歳のとき脱ステを決意。 激しいリバウンドの最中に出会った分子栄養学に可能性を感じ、ほぼ独学で学ぶ。 3年間の試行錯誤の末、アトピーの症状はすべて消えた。 しかしその後、ココロの不安定さから人間関係やお金の問題に悩むこと更に3年。 仕事を転々とし、最後は1年間の無職無収入を経験。 自分を変えたいと心理学や感情について独学で学ぶ中で、1冊の本をきっかけに社会復帰。 自分にできることは何かを考えた末、アトピーの体験・知識を伝えることを決意。 アトピー改善アドバイザーとして全国で講演やカウンセリングを行い、「アトピーを味わい尽くすと、人生が変わる」というメッセージを伝えている。