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なぜ食物アレルギーで皮膚に症状が出るのか

小さい頃アトピーだった僕は、ジョイナーに似た皮膚科の先生から、「卵と牛乳を控えるように」と言われていました。そういうのを食べるとアトピーが悪くなるって話でした。

いやー、しかしあの先生は本当にジョイナーそっくりでした。

※ジョイナーをご存じない方はこちら
フローレンス・ジョイナー(Wikipedia) 

まあ、当時僕は卵アレルギーだったわけですが、最近まで不思議に思っていたことがあります。なぜ、食べることで皮膚に症状が出るんでしょうか?「食べる」ということと「皮膚」ってあまりに遠くないですか?草にかぶれたとか、虫に刺されたとかだったら、皮膚が痒くなっても仕方ない気がしますが、物食ったから皮膚が痒いって意味不明です。

今日はそんな疑問に迫ってみましょう。そうすると、“アレ”の大事さがわかります。

 

IgE抗体というチンピラ

アトピーはアレルギーの一種ですね。だから、皮膚の異常というよりは「免疫の異常」なんです。

免疫の中でも主役級の働きをしているのが「抗体」というタンパク質。抗体の中でも特に「IgE」という種類のものが、アレルギーの引き金になっているということがわかっています。

人間が持つ抗体には5種類あり、それぞれ働く場所や役割が異なります。中でも強力に僕らのカラダを守ってくれているのが、「IgG」という種類の抗体。風邪やインフルエンザのようなウイルス感染や、結核や破傷風などの細菌感染を防ぐ役割をしています。いうなれば「エリート自衛官」みたいな感じですかね。国境を越えて侵略してきた敵を狙い撃ちして撃退するような、凄腕の持ち主です。

一方「IgE」は別に敵でもなんでもないような花粉とか食べ物とかペットの毛とかにやたらと反応して攻撃を仕掛ける癖があります。その際に周囲を傷つけてしまうので、いろいろとカラダに負担がかかります。それが皮膚で起これば「アトピー」だし、気管支で起これば「ぜんそく」、目や鼻で起これば「花粉症」というわけです。言うなれば、IgEはまるで「チンピラ」です(笑)人畜無害そうなおじさんが歩いてきたところに、やたらメンチ切ってケンカ売るような感じ。

このチンピラがカラダの中にどのくらいの数いるかというのが、アレルギーの起こりやすさを決める要因になります。IgEの量は血液検査でわかります。アレルギーを持たない人のIgEの数値は100以下なんですが、僕の最高記録は18,000です。チンピラ数十人だったら問題ないですが、18000人が暴走族のように僕のカラダを駆け巡っていたわけですから、そりゃあ外からの刺激に対して敏感にもなりますよね。

そしてこのIgEは皮膚のすぐ内側辺りにたくさんいると言われています。だから、ダニとかホコリとかペットの毛なんかでアトピーになる方が多いわけですよ。

でも、食べ物でアトピーが出るって言うのは、不思議ですよね?皮膚には触れてないのになぜでしょうか?

 

全ての血管は皮膚に通ず

なぜ食べ物アレルギーの症状が皮膚に出るのか。その答えは「血管」にありました。

僕らが食べたものは胃でくちゃくちゃに消化されて、腸でさらに細かく分解されながら吸収されます。腸は門脈という太い血管とダイレクトにつながっていて、吸収した栄養はそこを通って全身に運ばれます。

さて、卵アレルギーの方が卵を食べたとしましょう。そうすると、卵の「カケラ」が腸から入ってくることがあります。そのカケラは門脈に入り、血流に乗り、あるカケラは筋肉にたどり着き、あるカケラは舌にたどり着くなど、カラダのどこかに送られるんですよね。そして、そのうちのいくつかは、皮膚のあたりに送られるでしょう。そこである人と出会うんです。そう、皮膚の下辺りでたむろしているチンピラ「IgE」です。卵のカケラを見たIgEは、「オラァ、このタマゴ野郎がコラァ!」とかなんとか言って暴れはじめます。超怖い。。。彼らはまあまあの勢いで暴走するので、そこら辺一帯が荒れ地となります。

そうです、これがアトピーの症状として現れるんです。つまり、アレルギーの原因となる食品を食べると、そのカケラが血管を通って皮膚の毛細血管までたどり着いて、そこでアレルギー反応が起こるという仕組みになっていたんです。

アレルギーの度合いが酷い人は、全身で同時多発的にアレルギー反応がおこったりします。全身の皮膚にじんましんが出て、気管支が収縮し、血圧が一気に下がって、命の危険すらあります。アナフィラキシーショックと呼ばれるこの症状も、血管を通って全身に分散した食物のカケラがIgEと衝突した結果と言えます。

 

「異物」か「栄養」か

ということは、この「腸 ⇒ 血管 ⇒ 皮膚」というカケラの流れを、どこかでせき止めれば症状が出るのを防げるということですね。

じゃあどこでせき止めるか?

腸でしょ!

ここで流行語を使う必要は全くないし、全然うまく使えてないわけですが、気にしないでください。

 

そう、腸なんですよ。一旦腸を通過してしまったら、その後の流れを止めることはできないんです。それって必要な栄養も行かなくなっちゃいますからね(笑)

問題は、腸が食べ物の「カケラ」を通過させてしまったことなんです。「カケラ」というのは、まだ消化の途中だったのに間違って吸収されてしまった、場違いなやつなんですよ。

理科かなんかで習ったことがあると思いますが、消化すると食べ物はこんなふうに変化します。

  • 炭水化物 ⇒ ブドウ糖
  • タンパク質 ⇒ アミノ酸
  • 脂肪 ⇒ 脂肪酸とグリセリン

これが十分に完了しないままに吸収されてしまったカケラ、特にタンパク質のまま吸収されてしまったカケラがアレルギーの原因になります。

これはもうカラダからしたら、相当な違和感のものが侵入してきてる感じなんです。銭湯でパンツと靴下脱ぐの忘れて風呂場に入ってしまった人級の違和感。その違和感がチンピラIgEのしゃくに障ってしまうわけですよ。

だから、最後までちゃんとパンツ脱いで、靴下脱いでから風呂場に入らないといけない。

食べ物も、ちゃんと消化しきってから吸収しないといけないんです。カケラの状態で体内に入ってしまうと「異物」と判断され、消化しきってから体内に入ると「栄養」と判断されるということです。

 

腸は大切です

消化の途中で吸収してしまうのは、腸が未成熟だったり弱っていたりするからです。

腸には栄養を吸収する穴が開いています。元気な腸はその穴がキュッと締まってるんで、消化しきってないカケラは大きすぎて入れません。

でも未成熟な腸、弱ってる腸は、その穴がたるんで広がってしまっています。そうするとカケラが入り込みやすくなってしまいますよね。

だから腸がキュッとしまった状態を作ると、ちゃんと消化したものだけが入ってきてくれるんです。

腸をしっかり働かせて、「異物」ではなく「栄養」を吸収できるようにしましょう。腸を元気にするためにできることは、またそのうちまとめてみたいと思っています。

とにかく、腸は大切に!

 

アトピー改善アドバイザー

桑野やすし

 

 

 

 

アトピー改善アドバイザー

桒野靖士(くわのやすし)

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

1980年生まれ、大分県出身。 大阪大学卒業後、大手メーカーに経営企画スタッフとして勤務。 入社の数ヶ月後からアトピー性皮膚炎を発症。 2年間ステロイドを使うが改善が見られなかったため、25歳のとき脱ステを決意。 激しいリバウンドの最中に出会った分子栄養学に可能性を感じ、ほぼ独学で学ぶ。 3年間の試行錯誤の末、アトピーの症状はすべて消えた。 しかしその後、ココロの不安定さから人間関係やお金の問題に悩むこと更に3年。 仕事を転々とし、最後は1年間の無職無収入を経験。 自分を変えたいと心理学や感情について独学で学ぶ中で、1冊の本をきっかけに社会復帰。 自分にできることは何かを考えた末、アトピーの体験・知識を伝えることを決意。 アトピー改善アドバイザーとして全国で講演やカウンセリングを行い、「アトピーを味わい尽くすと、人生が変わる」というメッセージを伝えている。