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2018年11月に初の書籍が出版されました!

子どものアトピー予防のために我が家でやっていること

こんにちは。

アトピー改善アドバイザーの桒野靖士(くわのやすし)です。

 

アトピーは遺伝するって聞いたことありますか?実は遺伝の影響って結構大きいんです。僕も親になってもうすぐ一年。子どもにアトピーが発症しないように、いろいろと対策を打ってきました。その甲斐あってか、一応今のところ綺麗な赤ちゃん肌をキープしてくれています。

今日はうちでどんな対策を取ってきたかをご紹介しますね。

 

遺伝の影響

アトピーが遺伝するかどうかについてはいくつも統計が取られていますが、ざっと見ると、片親がアトピーの場合で30〜50%両親がアトピーの場合50〜80%の確率で子どもにもアトピーが発症しているようです。概して「遺伝する」と言ってよさそうですね。

これはご自身がアトピーの方で、これからお子さんを持とうと考えている方には結構ショックな数字かもしれません。実際、アトピーを持つ女性で、子どもを生むことを躊躇している方は結構多いと思います。自分のつらい体験を子どもも同じように経験するのではないかと考えると怖くなるのはよくわかります。

でも、確率が高いとわかっているということは、逆に言えば事前に対策が打てるということでもあります。

僕自身、1歳になったばかりの息子がいますが、彼にもアトピーが出ることを覚悟しています。でも、出来る限りそうならないように、対処できればいいなと思っていくつかやってきたことがあります。

もし縁あってお子さんを得たならどんなことをしてあげられるのか、ぜひ知識を仕入れておいてください。その一つの参考として今日は僕がやっていることをお伝えしますね。

 

不潔なものに触れさせる

アレルギー体質は遺伝要素も大きいですが、後天的な要素の方が大きいと言っていいと思います。

僕らは生まれた時点では、自分にとっての敵と味方を区別できません。食べ物も花粉も猫の毛もハウスダストもウイルスも細菌も、敵なのか味方なのかわからないわけね。これが免疫が未熟な状態。

んで、いろんなモノに接触して経験を積みながら、

「ウイルスは敵だから入ってきたら攻撃する」

「卵は味方だから入ってきてもいい」

というルールを作っていきます。

中でも、「攻撃しなくてもいいルール」のことを「免疫寛容」と言います。免疫寛容が十分に成熟すると、アレルギーは起こらなくなります。

卵への免疫寛容が起これば卵アレルギーはなくなります。

小麦への免疫寛容が起これば小麦アレルギーはなくなります。

スギ花粉への免疫寛容が起こればスギ花粉アレルギーはなくなります。

こうやって僕らは敵味方の区別を付けて、免疫を安定させていくわけです。

 

ただ、免疫寛容って、子供の頃しか起こらないんです。まさに三つ子の魂百まで。

しかも起こすためには条件があります。それは「不潔な環境にいる」こと。

家畜を飼っている家で育った子はアレルギー発症率が著しく低いというデータがあります。これは家畜の糞に含まれるエンドトキシンという毒素が蔓延した空気を吸うことで免疫寛容のスイッチが入るからだと言われています。

また、寄生虫に感染するとアレルギーが抑えられるという事象も世界各国で報告されています。

こういったことから、研究者の間では免疫は不潔な環境下でこそ正常に発達できるのだという見方が有力視されているんです。

てことで、うちは牧場や動物園へ行って、一時的にでも細菌や毒素の豊富な空気に触れさせるようにしています。これでエンドトキシンに触れる機会が増えれば、免疫寛容スイッチがONになる可能性が高まるんじゃないかと。

 

それと、子どもってなんでも舐めますよね。なんか知らんけど汚いもんばかり舐めたがる。これは免疫に経験を積ませるための本能なんじゃないかと思ってます。

だかから我が家では息子が何を舐めていても基本、止めません。

親の足を舐めても、鼻くそを食べても、他の子どもが舐めたおもちゃを舐めても、基本OK。

危険なものは取り上げますけど、「それ汚い!」って言って取り上げることはありません。もちろん除菌スプレーもしません。それでお腹壊すことももしかしたらあるかもしれないけど、長い目で見ればその経験がカラダを成熟させることに繋がると思うんです。

子どもを守りたい親心から、除菌!殺菌!清潔!で子育てしている人も多いと思います。それは感染症予防という側面では有効ですが、アレルギー予防の観点では逆効果の可能性が高い。

 

てことで、子どもには、汚いものも含めて色んな経験をさせてあげたいと考えています。

 

離乳食は6ヶ月位から

離乳食をいつから与えるかは悩みました。

  • 早い方がいい。
  • ハイハイができるようになってからでいい。
  • 1歳過ぎてからでいい。
  • できるだけ遅い方がいい。

いろんな意見があって、正反対の主張も多い。ほんとこれ系の情報ってややこしい。

最も多いのが「腸が未熟な子どもに離乳食を与えることでアレルギーリスクが高まるから、離乳食は遅い方がいい。ハイハイが十分出来るようになるとある程度腸が鍛えられてくるから、少なくともそこまでは待つべし」という主張です。

これはこれで、結構説得力あったりするんですよね。腸とアレルギーの関係は僕も重要だと思っていますし、そういう意味で町の成熟を待ちたいという思いもありました。

でも結局、我が家では、ずり這いも始まらない6ヶ月頃からスタートしました。だいたい標準的な育児書通りですかね。

理由は、免疫寛容を重視したから。免疫寛容は幼い時期に活発に起こります。アレルギーの原因となるタンパク質を幼い時期に極微量から与えることで免疫寛容が起きて、食物アレルギーを回避できるという理論があります。

最近まで、医療機関でも卵や小麦、牛乳、ピーナッツなどアレルギーリスクの高い食品は乳児には与えないという指導が当たり前でした。

しかし、数年前からアメリカではこれが否定されはじめ、現在では少量から食べることでアレルギー発症が抑えられることがわかってきています。

日本でも先日、日本小児アレルギー学会から離乳食についての方針転換が発表され、6ヶ月から卵を与えるということが推奨されるようになりました。

ただし、自己流はやめて、医療機関で指導を受けながらやってねという補足付きです。

 

で、うちはこの発表前から自己流でやってるわけですが(笑)、卵、大豆(豆腐)、小麦粉など、アレルギーになりやすい食材を極微量(1〜2ミリのかけらをおかゆに混ぜるくらい)の量からスタートして様子を見ながら量を増やしました。

この慎重さは重要だと思います。カラダは極微量でもちゃんと反応します。育児書を見ると、はじめから量が多すぎると感じましたね。うちはとにかく極々微量からはじめました。

これが吉と出るか凶と出るか、まだ答えは出ませんが、今のところはアレルギーらしき症状は出ていません。

 

ただし、これはすでに出ている食物アレルギーの「治療」を目指す方法ではありません。あくまで未然に防ぐ予防効果を狙ったものです。食物アレルギーのあるお子さんに、その対象の食品を自己判断で食べさせることはあまりに危険なので絶対にしないでくださいね。

 

皮膚に食べ物が付着しないようにする

離乳食を与え始めてからは、食事前に必ず口の周りと手にワセリンを塗ってあげています。食べ物が皮膚に直接付着するのを防ぐためです。

従来、「食べたもの」がアレルギーを発生させていると考えられてきましたが、最近の研究では「皮膚に付着した食べ物」がアレルギーを引き起こしているということが言われるようになってきました。

これは、免疫系の「抗原提示」という仕組みが解明されてきたことと関係しています。

抗原(アレルゲン)がカラダに入ってきたとき、「変なの入ってきたよ」っていう情報が細胞たちの間で蔓延します。これをT細胞という免疫を司る細胞がキャッチするとアレルギーが始まるんです。

で、この情報提供者、従来は「マクロファージ」だと思われてたんですが、最近になって「樹状細胞」っていう別の細胞だということがわかってきたのね。

んで、この樹状細胞、「樹状」っていうだけあって、木の枝のような触手を持っています。これでアレルゲンを捕まえて、「獲ったどー!」って叫ぶ。これが抗原提示。

この樹状細胞は皮膚の表面近くにもたくさんあります。触手を伸ばすと、皮膚の表面まで届くくらいのところ。

んで、肌が健康で潤ってると、樹状細胞はおとなしく皮膚の内側で活動するんですが、肌が乾燥してると、皮膚の隙間から簡単に触手が出てくるんだそうです。こういう状態になっていると、皮膚に付着した卵とか小麦とかのアレルギー物質をキャッチして、わざわざ体内に引きずり込んで、「獲ったどー!」をやっちゃうのね。

これがアレルギーの原因になっているケースが、実はとても多いことがわかってきたんです。特に赤ちゃんの肌は乾燥しやすく、荒れやすいので、樹状細胞の触手が皮膚の表面まで伸びやすい。

だから、この触手に食べ物が付着しないようにバリアを張ってあげるのが効果的だと言われています。

この理論は昨年発表されたものだし、まだ臨床では十分な検証さなされていないとは思いますが、やっておいて損はないと思って、実践してきました。

まあ、子どもは食べる時にじっとしていてはくれず、手についた食材をワセリン塗ってないとこにべたべたなすりつけたりしてるんで、完全に防ぐことは難しいけどね。それでも可能な限りやってみています。

ワセリンを毛嫌いする方も多いですが、こういう「皮膚の保護」を目的とするのであれば、ワセリンほど安全で効果的な素材はありません。

※「保湿」を目的とするのならデメリットも大きいと思いますが。

 

この取り組みが功を奏してくれるといいなぁと期待しています。

 

石鹸やボディソープを使わない

お風呂では石鹸やボディソープをほとんど使っていません。使うのは週1回くらいかな。

最初は赤ちゃん用にちゃんと選んだものを毎日使っていたんですが、どうも乾燥が酷く、顔や関節の皮膚が荒れがちだったんですよね。それで、試しに止めてみたら、みるみる肌が綺麗になっていきました。今では、ほっぺたぷにぷにです^_^

垢も少ないので、匂いが気になったりベタついたりもしません。意外とお湯だけできれいになるもんですね。

 

保湿をする

お風呂上がりの保湿は欠かせません。化粧水とクリームを使って、できるだけ保湿してあげます。

梅雨以降は湿度が上がって、それほど神経質になる必要もなくなりましたが、冬はかなりカサカサしてたので、日中も何度か保湿をしなおしてました。

ここは妻の努力ですね。完璧にこなすのは難しかったので、時間のある時にできるだけやってあげようっていうくらいのノリで取り組んでもらいました。これは当分続けると思います。

「そんな幼い頃から保湿ばっかりすると肌が怠けるよ」みたいな主張もありますが、アトピーになったら怠けるとかいうレベルの話ではなくなりますからね。

さっき言ったとおり、乾燥した肌では、樹状細胞の触手が出てきやすいんです。それを防ぐためにも、僕は保湿をしてあげることを選びました。

 

母乳も欲しがるだけ与える

授乳はまだ頻繁に行っています。

離乳食で栄養をある程度摂れるようになったとは言え、まだ消化吸収の能力は成熟していません。実際、うんちを見ると野菜などはそのまま出てきていることが多いです。なので、離乳食の栄養を十分吸収できてはいないんです。

ですから、主な栄養源はやはり母乳ということになります。まだしばらくは母乳を続けることになるんじゃないかと思います。本人が飲まなくなるまでは様子見ながら続けようかなって感じですね。

ちなみに、ミルクはいつの頃からか飲まなくなって、今では哺乳瓶を与えても嫌がって飲もうとしません。妻の外出時などのためにミルクも飲んでくれると、助かるんですが、もう無理っぽいですね。

ま、ミルクには賛否両論あるので、飲まんなら飲まんでカラダにとってはいいのかもしれません。

 

親が心の準備をする

具体的にやってきたのはこんな感じですかね。

ただ、ここに書いたことも、常に迷いながら選択してきたことなんです。これだけ知識を付けてきたにも関わらず、実践するとなるとやはり迷いが生じるものなんですよね。

正解がわからない中で、子どもの月齢はどんどん進んでいく。6ヶ月で離乳食を始めるべきかどうか、5ヶ月目までには決めないといけないわけですよ。

予防接種なんかもそうね。デメリットが盛んに叫ばれている今、打つべきか打たざるべきか、2ヶ月とか3ヶ月の頃には決めないといけない。

次々と決断が迫られます。

一つひとつ夫婦で話し合って、迷いながら決めてきました。

今振り返ると、その中で2つのことを大事にしてきたような気がします。

 

(1)母親が安心できる選択をする

僕は昼間家にいないことが多いわけで、どうしても息子の面倒をみる係は妻になります。離乳食作るのも、病院連れてくのも、保湿してあげるのも妻なわけ。

だから、妻がどの選択肢に安心感を持つかってことがやっぱり重要なんです。いかに「子どものため」の選択をしても、母親が不安だったらそれはあまり幸せじゃないと思う。

僕はいろんな情報を取りに行くから、「予防接種は打つべきじゃない」って話をたくさん聞くんです。だから自然と「打たない」という選択肢を選ぼうとしてました。

でも、妻は僕ほどたくさんの情報に触れてないんです。そうすると、妻の中には「予防接種、やっぱり打ったほうがいいんじゃないかな?」って気持ちがあるわけ。

それが見えたんで、うちでは予防接種を受けるという選択をしました。

 

(2)後悔する覚悟をする

予防接種の方針を決めたときの夫婦での話し合いは、

「打って後悔することもあるだろうし、打たなくて後悔することもあるだろう。どっちに行っても不安や後悔はあり得るから、後悔する覚悟決めて、今の気持ちで決めよう。」

っていうものでした。

離乳食を開始する時期もそう。早くしても遅くしても、アトピーは出る時は出るし、出ない時は出ない。それはその時にならないとわからんのです。

だから常に、息子にアトピーが出る可能性も覚悟した上で、選択してきました。

というか、「アトピーになってもならなくても、この子に幸せがたくさん訪れますように」という祈りを込めて選択してきました。

アトピーであることと、幸せであることには関係がありません。

アトピーを持っているけど、幸せを噛みしめながら生きている友人が何人もいるからね。

アトピーの経験を糧に、幸せってなんだろうってことへの答えを見つけた友人が何人もいるからね。

どんな状況でも息子は幸せになれるんですよね。

 

もし息子にアトピーが出てきたら、謝ろうと思います。

「ごめん、パパもママも一生懸命やったけど、アトピー止められなかったわ。許してな。」

それで許してもらおう。すぐに許してもらえなくても、息子が30歳くらいになれば許してくれるかもしれない。

ほんで、彼は彼なりに、自分の幸せを感じ取れるようになっていくでしょう。

 

そんなことをイメージしながら選択しています。

 

今も夫婦で迷いながらの育児です。答えのない世界で、不安と怖さを抱えながら、幸せに生きている感じがします。

今のところ、息子はめちゃくちゃ元気で、アトピーも出てないみたい。

これからも迷いながら父ちゃんがんばるわー^_^

 

 

 

 

アトピー改善アドバイザー

桒野靖士(くわのやすし)

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

1980年生まれ、大分県出身。 大阪大学卒業後、大手メーカーに経営企画スタッフとして勤務。 入社の数ヶ月後からアトピー性皮膚炎を発症。 2年間ステロイドを使うが改善が見られなかったため、25歳のとき脱ステを決意。 激しいリバウンドの最中に出会った分子栄養学に可能性を感じ、ほぼ独学で学ぶ。 3年間の試行錯誤の末、アトピーの症状はすべて消えた。 しかしその後、ココロの不安定さから人間関係やお金の問題に悩むこと更に3年。 仕事を転々とし、最後は1年間の無職無収入を経験。 自分を変えたいと心理学や感情について独学で学ぶ中で、1冊の本をきっかけに社会復帰。 自分にできることは何かを考えた末、アトピーの体験・知識を伝えることを決意。 アトピー改善アドバイザーとして全国で講演やカウンセリングを行い、「アトピーを味わい尽くすと、人生が変わる」というメッセージを伝えている。